2020年09月05日

10代の役者

劇団かいぞく船の紹介で「10代の役者」という表現をしている。が、気が付くと20代になる子も出てきた。時の流れを感じる。
さて、20代になったら劇団は卒業なのか?大学生ならいいのか?何歳までよいのか?
考えてなかった。劇団を始めた時は彼女たちが20代になることなど考えてなかったからな。

10代の役者と20代の役者では感覚が違う。
まず12歳前後で大きく変わる。それまで通じているかどうかわからなかった言葉(指摘)を理解できるようになる、というか会話が成り立っている実感がある。それが徐々に視野が広がり、知識も増え、「何となくの感覚」より「堅実な演技」を求めるようになる。それは良いことなんだが、10歳の頃に持っていた不安定さ(ライブ感?)が失われていく。そして高校生くらいになると大人と変わらなくなってくる。身体のサイズと感情のサイズのバランスかなぁ、と思い試しに表してみると

12歳以前:身体<感情
12歳~17歳:身体=感情
17歳以降:身体>感情

大人になると、感情が身体のサイズに収まってしまって、なかなか外に出てこなくなるのだ。
でも、社会活動をする上では感情は身体のサイズに収めることが必要で、そのように身の回りも変わるし自身の身体も心もそのように変化していく。(時々、大人でも感情のサイズが収まり切れなくなる時はあるけど)
その上で、役者は感情を外に向かって表現しなければいけない。子供の頃の感覚を取り戻さなければいけない。だからそのための訓練をする。10代から役者をやっていると、「取り戻す」ではなく「忘れない」なのか、と思う。
劇団の子たちの多くはプロの役者にはならない。でも、社会に出て「身体>感情」の生活を続けていく中で時々「身体=感情」や「身体<感情」になる時があっていいよね、と言いたい。むしろ、そういう時が「必要だ」と言いたい。一人でのんびりしてる時だったり、親しい人と一緒にいる時だったり。その場が劇団であっても良い。これらを自然と使い分けられる大人になることが豊かな社会生活を送ることに繋がるのではないかと思う。

そんなわけで、何歳まで「忘れない」のか、しばらくこのまま観察しようと思う。
劇団の説明は「10代の役者を中心に」と微妙に変わるかもしれないが。



Posted by 劇団かいぞく船 at 11:04│Comments(0)
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