2020年09月29日

ワークショップ2

先日、ワークショップ2回目を実施しました。テーマは「役を演じるって?」。
役者をやる時にその役のキャラクターとか色々と考えちゃいますが、日常生活でも演じてませんか?
家と学校で自分の態度・振る舞いが違うなって思いません? あるいは学校でもクラスにいる時と部活の時と。学校の演劇部に関わってると「実は保健室登校なんだけど部活には毎回参加する」「クラスでは全くしゃべらないのに舞台で大声で台詞しゃべってる生徒見て担任が驚く」みたいな事例をたくさん見聞きすることがあります。
大人もそうでしょ? 家と会社と趣味の集まりと。別に演じてるつもりはなくても、振る舞いが自然と変わる。これを追求していくと結構時間かかるので、まずは「そうなってしまう自分を受け入れる」事から始めます。そうしないと振る舞いの違う自分に「自分、嘘っぽい」「心開いてないわ」「いい人演じてる↓」って思って落ち込んじゃったりします。
10代は特にそうだし、そうなってしまう自分に戸惑ってしまう。でも、みんなそうだし、それは悪いことではないし、社会を構築していくのに必要な事だ、と考えてくれると「生きやすくなる」と思うのです。

ワークでは初めに「性格」について心理学でいう「ビッグ・ファイブ」を使って自分の性格を考えてみた。次に演劇ワークショップでよく使う「ステイタスゲーム」で人間関係を考える(というか感じる?)。このゲームはいつも盛り上がりますね。そしてテオプラストスのキャラクターを使って、自分の嫌いな人を分析しながら、自分の価値観、嫌いな人との関わり方なんかを考察しました。

すでに演劇ワークショップの域を越えてカウンセリングか?って感じはありますが、あえて今の時期はそういうワークをやってみました。
これ、社会人にも有効だと思うので一般向けにもやっていこうと思います。
  


Posted by 劇団かいぞく船 at 10:19Comments(0)

2020年09月19日

ワークショップ

次の公演予定を立てるのも難しいけど、何もしないといろんなものが鈍ってしまいそうで、「ワークショップをしよう」と声を掛けてやってみた。いつもは具体的な公演のための稽古ばかりなので、たまにはそれとは関係なしのメニューで。

今回のテーマは「感情(感情表現)って?」。
演技をする時に「どんな感情?」とか「感情を表現して」とか言われたりする。でもそもそも「感情」ってつかみどころのないものだ。何なら稽古中「感情はコントロールできないから」って言っちゃう。コントロールできないものを表現に使うの?
感情はコントロールできないけど、身体や行動はコントロールできるから、こっちを使おう。という話に落ち着く。

まず、普段「感情」として使っている言葉を振り返る。
で、それを元に表現してみようとする。
次に、設定やシチュエーションだけで表現してみようとする。
「感情」を意識するより「設定」を意識してる方が表現しやすいよね。というみんなの共通認識。
さて、そこで「感情」だ。
地球上の生存競争の上では、負の感情(警戒、恐怖、臆病など)をより多く持つ生き物が生き残ってきたとも言える。つまり、我々人間が負の感情を持つことは当たり前のことである。だから自分を「嫌な奴だ」と思って嫌わないでほしい。という事を確認。
「モヤモヤした気持ち」というのは大抵「葛藤」を抱えている。葛藤は「目的」と「障害」のぶつかり合いだ(演劇っぽくなってきた)。だから最近モヤモヤしていることを「自分は(本当は)何がしたかったのか?」と「なぜ出来なかったのか」に分けて書き出してみることにした。それらを眺めるだけでモヤモヤが少し晴れてくるよね。そして、自分で何とか出来るのは「相手にこうしてほしい」ではなく「自分がこうする」である。
相手はコントロールできないけど、自分の行動はコントロールできるから、こっちを使おう。
そんな話をした。

最後のワークでは、どこで止めたらいいか迷うくらい書き出している子が多かった。表現のテクニックより先にやることがあるよな、と気づきの多いワークとなりました。
  


Posted by 劇団かいぞく船 at 01:22Comments(0)

2020年09月05日

10代の役者

劇団かいぞく船の紹介で「10代の役者」という表現をしている。が、気が付くと20代になる子も出てきた。時の流れを感じる。
さて、20代になったら劇団は卒業なのか?大学生ならいいのか?何歳までよいのか?
考えてなかった。劇団を始めた時は彼女たちが20代になることなど考えてなかったからな。

10代の役者と20代の役者では感覚が違う。
まず12歳前後で大きく変わる。それまで通じているかどうかわからなかった言葉(指摘)を理解できるようになる、というか会話が成り立っている実感がある。それが徐々に視野が広がり、知識も増え、「何となくの感覚」より「堅実な演技」を求めるようになる。それは良いことなんだが、10歳の頃に持っていた不安定さ(ライブ感?)が失われていく。そして高校生くらいになると大人と変わらなくなってくる。身体のサイズと感情のサイズのバランスかなぁ、と思い試しに表してみると

12歳以前:身体<感情
12歳~17歳:身体=感情
17歳以降:身体>感情

大人になると、感情が身体のサイズに収まってしまって、なかなか外に出てこなくなるのだ。
でも、社会活動をする上では感情は身体のサイズに収めることが必要で、そのように身の回りも変わるし自身の身体も心もそのように変化していく。(時々、大人でも感情のサイズが収まり切れなくなる時はあるけど)
その上で、役者は感情を外に向かって表現しなければいけない。子供の頃の感覚を取り戻さなければいけない。だからそのための訓練をする。10代から役者をやっていると、「取り戻す」ではなく「忘れない」なのか、と思う。
劇団の子たちの多くはプロの役者にはならない。でも、社会に出て「身体>感情」の生活を続けていく中で時々「身体=感情」や「身体<感情」になる時があっていいよね、と言いたい。むしろ、そういう時が「必要だ」と言いたい。一人でのんびりしてる時だったり、親しい人と一緒にいる時だったり。その場が劇団であっても良い。これらを自然と使い分けられる大人になることが豊かな社会生活を送ることに繋がるのではないかと思う。

そんなわけで、何歳まで「忘れない」のか、しばらくこのまま観察しようと思う。
劇団の説明は「10代の役者を中心に」と微妙に変わるかもしれないが。
  


Posted by 劇団かいぞく船 at 11:04Comments(0)